aとbが互いに素のとき、abとa+bも互いに素

互いに素

2つの正の整数 a bの最大公約数が1のとき、 a bは互いに素であるといいます。問題を解くときには、共通な素因数をもたないことを使います。素因数とは、素数の約数のことです。

 10と21は、10=2×5、21=3×7で、別の素数からできているので互いに素です。

注意 上の例のように、 a b素数とは限りません。「互いに素」って「互いに素数」ってこと?という人は結構います。

 a bが互いに素のとき、 ab a+bも互いに素」の証明

正の整数(自然数 a bについて、 a bが互いに素 \Rightarrow ab a+bが互いに素が成り立つ。

証明 背理法で証明する。 ab a+bが互いに素でないと仮定すると、 ab a+bは共通な素因数をもつ。その共通な素因数の1つを pとすると、 ab a+b pの倍数だから、

 ab=pm,a+b=pn m,nは整数)

とかける。 p素数だから、 ab=pmより、 a pの倍数であるか、 b pの倍数である。 a pの倍数のとき、 a=pk kは整数)とおけて、 a+b=pnに代入すると、 pk+b=pnより、 b=p(n-k)となるから、 b pの倍数である。これは、 a bが互いに素ということと矛盾する( a bが共通な素因数 pをもつから)。 b pの倍数のときも同様に矛盾する。よって、 ab a+bは互いに素である。

 ab a+bが互いに素のとき、 a bも互いに素」も成り立つ

これも背理法で証明できます。

証明  a bが互いに素でないと仮定すると、 a bは共通な素因数をもつ。その共通な素因数の1つを pとすると、 a b pの倍数だから、 a=pa',b=pb' a',b'は整数)とおける。これを用いると、 ab=p^{2}a'b',a+b=p(a'+b')となるから、 ab,a+bはともに pの倍数である。これは ab a+bが互いに素ということに反する。よって、 a bは互いに素である。