複素数の「虚部」とは?

 \displaystyle \frac{2+i}{3-\sqrt{2}i}の虚部を求めよ。

複素数 a+bia,bは実数)において,aを実部,bを虚部といいます。問題の式を簡単にするためには,分母分子に3+\sqrt{2}iをかけます。

解答

  \begin{eqnarray}
\frac{2+i}{3-\sqrt{2}i} &=& \frac{(2+i)(3+\sqrt{2}i)}{(3-\sqrt{2}i)(3+\sqrt{2}i)}\\
&=& \frac{6+\sqrt{2}i^2+(2\sqrt{2}+3)i}{3^2-(\sqrt{2}i)^2}\\
&=& \frac{6-\sqrt{2}+(2\sqrt{2}+3)i}{9+2}\\
&=& \frac{6-\sqrt{2}+(2\sqrt{2}+3)i}{11}
\end{eqnarray}

よって,求める虚部は\displaystyle \boldsymbol{\frac{2\sqrt{2}+3}{11}}

注意
虚部にiをつけて答えない

\displaystyle \frac{2\sqrt{2}+3}{11}iと答えてしまわないように気を付けましょう。

(3-\sqrt{2}i)(3+\sqrt{2}i)の計算

ついつい(3-\sqrt{2}i)(3+\sqrt{2}i)=9-2としてしまう人がいます。iが出てきたときは注意しましょう。

検算して計算ミスに気付こう

 aを実数とし, S(a)=\displaystyle \int_{a}^{a+1} |3x^{2}-6x|dxとおく。

(1) \displaystyle S\left(\frac{3}{2}\right)を求めよ。

(2) 0\leqq a \leqq 2のとき, S(a)を求めよ。

絶対値記号を含む定積分の問題です。絶対値記号がついたままでは計算できないので,絶対値記号を外すことを考えます。絶対値の中が正のときと負のときで積分区間を分割します。

解答

(1) 3x^{2}-6x=3x(x-2)より

  \displaystyle \frac{3}{2}\leqq a \leqq 2 のとき  |3x^{2}-6x|=-(3x^{2}-6x)
  \displaystyle 2\leqq a \leqq \frac{5}{2} のとき  |3x^{2}-6x|=3x^{2}-6x
よって,
  \begin{eqnarray}
S\left(\frac{3}{2}\right) &=& \int_{\frac{3}{2}}^{2} \{-(3x^{2}-6x)\}dx + \int_2^{\frac{5}{2}} (3x^{2}-6x)dx\\
&=& \int_{2}^{\frac{3}{2}} (3x^{2}-6x)dx + \int_2^{\frac{5}{2}} (3x^{2}-6x)dx\\
&=& \left[ x^{3}-3x^{2}\right]_{2}^{\frac{3}{2}} +\left[ x^{3}-3x^{2}\right]_{2}^{\frac{5}{2}}\\
&=& \left(\frac{3}{2}\right)^3 - 3\left(\frac{3}{2}\right)^2 +\left(\frac{5}{2}\right)^3 - 3\left(\frac{5}{2}\right)^2 - 2(8-12)\\
&=& \boldsymbol{\frac{3}{2}}
\end{eqnarray}

(2)積分区間に2が含まれるかどうかで場合分けする。積分区間に2が含まれる場合(解答の(ii))は(1)と同様に考える。
(i) \displaystyle 0\leqq a \leqq 1 のとき
  \begin{eqnarray}
S\left(a\right) &=& \int_{a}^{a+1} |3x^{2}-6x|dx\\
&=& \int_{a}^{a+1} \{-(3x^{2}-6x)\}dx\\
&=& \left[ -x^{3}+3x^{2}\right]_{a}^{a+1}\\
&=& -(a+1)^3 +3(a+1)^2 +a^3 -3a^2\\
&=& \boldsymbol{-3a^2 +3a +2}
\end{eqnarray}
(ii) \displaystyle 1\leqq a \leqq 2 のとき
  \begin{eqnarray}
S\left(a\right) &=& \int_{a}^{2} \{-(3x^{2}-6x)\}dx + \int_2^{a+1} (3x^{2}-6x)dx\\
&=& \int_{2}^{a} (3x^{2}-6x)dx + \int_2^{a+1} (3x^{2}-6x)dx\\
&=& \left[ x^{3}-3x^{2}\right]_{2}^{a} +\left[ x^{3}-3x^{2}\right]_{2}^{a+1}\\
&=& a^3 - 3a^2 +\left(a+1\right)^3 - 3\left(a+1\right)^2 - 2(8-12)\\
&=& \boldsymbol{2a^3 -3a^2 -3a +6}
\end{eqnarray}

検算その1

(1)の答え \displaystyle\frac{3}{2}は,(2)(ii)の答え S\left(a\right)=2a^3 -3a^2 -3a +6に対し \displaystyle S\left(\frac{3}{2}\right)を計算した値と一致するはずです。実際に代入して計算すると

 \displaystyle S\left(\frac{3}{2}\right)=2\left(\frac{3}{2}\right)^3 -3\left(\frac{3}{2}\right)^2 -3\left(\frac{3}{2}\right) +6=\frac{3}{2}

となり一致します。

検算その2

(2)(i)に対し \displaystyle S\left(1\right)を計算した値と(2)(ii)に対し \displaystyle S\left(1\right)を計算した値は一致するはずです。

(2)(i)で \displaystyle S\left(1\right)=-3\cdot 1^2 +3\cdot 1 +2=2
(2)(ii)で \displaystyle S\left(1\right)=2\cdot 1^3 -3\cdot 1^2 -3\cdot 1 +6=2

となり一致します。

計算して答えが出た後,時間に余裕があればこのように検算をしてミスがないか確認しましょう。

Azure DevOps 使い方 -登録-

この記事ではMicrosoftが提供する Azure DevOps の登録方法について記載します。

サインイン or アカウント登録

以下のURLをクリックして、サインインします。 azure.microsoft.com

f:id:kyorotasan:20211204121035p:plain
サインイン

アカウントをまだ持っていない方は登録が必要です。

アカウント登録

  1. [サインイン]をクリックして、[別のアカウントを使用する]をクリック
  2. ”アカウントをお持ちではない場合、作成できます。”の[作成]をクリック
    f:id:kyorotasan:20211204121408p:plain
    作成
  3. [新しいアカウントを作成]をクリック
  4. アカウント作成に使うメールアドレスを入力し,[次へ]をクリック
  5. パスワードを入力し、[次へ]をクリック
  6. 先ほどのメールアドレス宛に確認メールが届くので、そのメールに記載されているセキュリティコードを、メールの確認画面に入力し、[次へ]をクリック
    f:id:kyorotasan:20211204122210p:plain
    メールの確認

これで、登録が完了しました。

使い始める

以下にアクセスし、利用するプランを決定します。 azure.microsoft.com

初めて使う場合は最初の 5 ユーザーは無料の「Basicプラン」でいいでしょう。

  1. 「Basicプラン」の[無料で始める]をクリックします。
  2. 詳細情報を入力します
  3. ポータルページにとぶので、[新しい組織の作成]をクリック
  4. 使用許諾を読み、よければ[Continue]をクリック
  5. 組織名、エリアを選択し[Continue]をクリック

以下のような画面が表示されていたら登録完了です。プロジェクトを作成しましょう

f:id:kyorotasan:20211204123450p:plain
プロジェクト登録

プロジェクトを作成する

  1. プロジェクト名をつけ[Create Project]をクリック (VisibilityはPrivateで問題ないでしょう)

これでプロジェクトの登録ができました。チケットを作成したり、コードを登録したりすることができるようになりました。

f:id:kyorotasan:20211204123744p:plain
プロジェクト


最大公約数と最小公倍数の話

最大公約数と最小公倍数についてのお話です。

次を読んで当たり前と思うでしょうか。

正の整数 a bの最大公約数を Gとし, a=Ga' b=Gb'となるように a' b'を定める( a' b'は互いに素な正の整数)。このとき, a bの最小公倍数 L L=Ga'b'と表せる。


素因数分解をイメージして,共通する素因数を集めたものが Gで,残っている素因数には共通するものがなく,公倍数にするために足りない数を補うために残っている素因数,すなわち a' b'をかければよい。・・・ですが,こういうフワフワした話は伝わる人と伝わらない人がいます。私はフワフワした話が好きで度々するのですが,経験上伝わらないことの方が多いです。そういうときは,実際に数字を使って見せると納得してもらえることが多いです。

授業で説明する場合は数字を使って納得してもらいますが,ここでは問題を解く訓練としてあえて証明をしてみます。最小公倍数とは,公倍数のうちで最小のものをいうのでした。 L=Ga'b' a=Ga' b=Gb'の倍数になっているので, a' b'の公倍数になっています。最小であるかどうかが問題です。背理法で示してみます。

証明  Lが最小の公倍数でないと仮定すると,真の最小公倍数 lが存在し,最小公倍数以外の公倍数は最小公倍数の倍数だから L=clとおける( cは2以上の整数)。 l=\frac{L}{c} a=Ga' b=Gb'の公倍数だから

 \frac{L}{c}=mGa' \frac{L}{c}=nGb'

とおける( m,nは正の整数)。 L=Ga'b'を代入して整理すると

 \frac{Ga'b'}{c}=mGa' \frac{Ga'b'}{c}=nGb'

 b'=cm a'=cn

よって a' b'はいずれも cの倍数であるが,これは a' b'が互いに素であることに反する。よって, L=Ga'b'は最小公倍数である。

別の証明

最小公倍数が L=Ga'b'であることを忘れて,初めから最小公倍数を求める方針が次の証明です。

証明  a bの公倍数 lとすると,公倍数 l a=Ga' b=Gb'の倍数だから l=mGa'=nGb'とおける( m,nは正の整数)。 mGa'=nGb'より ma'=nb'の右辺は b'の倍数だから左辺も b'の倍数であるが, a' b'は互いに素だから m b'の倍数である。よって m=kb' kは正の整数)とおける。これを l=mGa'に代入して l=kGa'b'が最小となるのは k=1のとき。よって最小公倍数は L=Ga'b'

最大公約数と最小公倍数の関係

 a bの最大公約数 G,最小公倍数 Lについて, GL=abが成り立ちます。

証明  L=Ga'b'の両辺に Gをかけて GL=Ga'\cdot Gb' Ga'=a Gb'=bだから GL=ab

 a bの値によらず GL=abが成り立つのはちょっと不思議に感じるかもしれません。本当はこっちの話がきっかけでしたが,構成上こんな風になりました。

aとbが互いに素のとき、abとa+bも互いに素

互いに素

2つの正の整数 a bの最大公約数が1のとき、 a bは互いに素であるといいます。問題を解くときには、共通な素因数をもたないことを使います。素因数とは、素数の約数のことです。

 10と21は、10=2×5、21=3×7で、別の素数からできているので互いに素です。

注意 上の例のように、 a b素数とは限りません。「互いに素」って「互いに素数」ってこと?という人は結構います。

 a bが互いに素のとき、 ab a+bも互いに素」の証明

正の整数(自然数 a bについて、 a bが互いに素 \Rightarrow ab a+bが互いに素が成り立つ。

証明 背理法で証明する。 ab a+bが互いに素でないと仮定すると、 ab a+bは共通な素因数をもつ。その共通な素因数の1つを pとすると、 ab a+b pの倍数だから、

 ab=pm,a+b=pn m,nは整数)

とかける。 p素数だから、 ab=pmより、 a pの倍数であるか、 b pの倍数である。 a pの倍数のとき、 a=pk kは整数)とおけて、 a+b=pnに代入すると、 pk+b=pnより、 b=p(n-k)となるから、 b pの倍数である。これは、 a bが互いに素ということと矛盾する( a bが共通な素因数 pをもつから)。 b pの倍数のときも同様に矛盾する。よって、 ab a+bは互いに素である。

 ab a+bが互いに素のとき、 a bも互いに素」も成り立つ

これも背理法で証明できます。

証明  a bが互いに素でないと仮定すると、 a bは共通な素因数をもつ。その共通な素因数の1つを pとすると、 a b pの倍数だから、 a=pa',b=pb' a',b'は整数)とおける。これを用いると、 ab=p^{2}a'b',a+b=p(a'+b')となるから、 ab,a+bはともに pの倍数である。これは ab a+bが互いに素ということに反する。よって、 a bは互いに素である。

ExcelからAzure DevOpsのQueryを参照する -準備-

Azure DevOpsのQueryはAdd-inを入れることでExcelから参照することができます。

 

Excel上で扱うことで、Work ItemのStatusを一気に更新したり、フィルタリングをかけることができます。今回はExcelにアドインを入れて、Queryを参照するところまでを備忘録として記載します。

 

アドインのダウンロード

アドインは

Visual Studio Tools のダウンロード - Windows、Mac、Linux 用の無料インストール

の「その他のTools, Frameworks, そしてRedistributables」にある、「Azure DevOps Office® Integration 2019」(2021年11月現在)をダウンロードします。

 

ダウンロードしたEXE(azuredevops_inttooloffice2019_jpn.exe)を起動するとインストールが始まります。

 

インストールが終わったらExcelを起動して、アドインの確認をします。

 

 

Excelアドインのアクティブ化

Excelのオプションを開き、「アクティブなアプリケーション アドイン」に「Team Foundation Add-in」があればOKです。

f:id:kyorotasan:20211115231252p:plain

アドイン

ない場合は、同画面の下の方にある、「管理」から「COMアドイン」を選択して設定ボタンをおします。

f:id:kyorotasan:20211115231551p:plain

COMアドイン

設定ボタンを押すと、以下のような画面が開くので、「Team Foundation Add-in」にチェックをいれてOKを押します。ここの使用できるアドインに該当のアドインがない場合は、インストールに失敗している可能性があります。

f:id:kyorotasan:20211115231709p:plain

COMアドイン管理画面

アドインがアクティブになっていることを確認したら、リボンの設定に「チーム」を追加します。

f:id:kyorotasan:20211115232442p:plain

リボン設定

「チーム」にチェックがついていればOKです。

これで準備完了です。Queryを参照してみましょう。

 

 

Query参照

※あらかじめAzure DevOpsにて、Queryを作成しておいてください。

新しいシートを作成し、「新しい一覧」を選択します。

f:id:kyorotasan:20211115232644p:plain

チームタブ

「新しい一覧」を押すと、以下のような画面が出てくるので、「サーバー」を選択する。

f:id:kyorotasan:20211115233103p:plain

「AzureDevOpsServerの追加と削除」の画面が出るので、「追加」を押す。

f:id:kyorotasan:20211115233320p:plain


Azure DevOps Serverの名前またはURLに使用するAzureDevOpsのURLを入力してOKを押します。OKを押すとログイン画面がでてくるので、AzureDevOpsに登録されているアカウントにサインインします。成功すると追加と削除の画面に戻りますので、「閉じる」を押します。

接続がうまくいっていれば、チームプロジェクトコレクションおよびチームプロジェクトに、AzureDevOpsに登録されているプロジェクトのコレクション等が表示されます。使いたいプロジェクトを選択して「接続」を押します。

 

接続するとクエリリストを選択する画面が出てきますので、表示したいクエリを選択して、OKを押します。

f:id:kyorotasan:20211115233831p:plain

 

 

以下のようなテーブルが表示されれば成功です!

f:id:kyorotasan:20211115234116p:plain

 

テーブルの使い方についてはまた今度。